近年は若い女性を中心として性病が増加しつつあることが問題視されていますが、実は性病は本人の問題だけで済まされない可能性もあります。
性病を引き起こす原因菌の種類によっては、深刻な不妊症になってしまう可能性もあるため注意が必要です。

不妊症とは、名前の通りなかなか妊娠できなくなってしまう症状のことを言います。
通常は女性の卵巣から毎月1回排卵される卵子と男性の精子が受精し、子宮に着床することで妊娠が成立します。
しかし性病を放置していると、病原菌が体内に侵入して妊娠に必要不可欠な臓器に炎症を起こしてしまい、正常に妊娠することができません。

もちろん不妊症の原因は様々なことが考えられるので一概に性病のせいだとは言い切れませんし、性病にかかっていても妊娠できる人もいます。
しかし、可能性として不妊症になってしまう確率が高くなるということは事実なので、しっかりと覚えておきましょう。

病原菌の種類によっては、不妊症になりやすいだけでなく、仮に妊娠できても流産や早産の引き金になってしまうこともあります。
無事に妊娠で来たからと言って安心できるものではありませんし、何よりも放置していると赤ちゃんにまで感染して様々な障害を及ぼしてしまうため注意が必要です。

具体的に言うと、性器周辺に付着した病原菌が、膣や尿道口などから身体の奥深くへと侵入してきます。
病原菌が増殖するとその部位が炎症を起こすことが多く、組織が大きなダメージを受けてしまいます。
この炎症が卵巣付近で起きれば排卵が不可能になりますし、子宮内部で起きれば子宮内膜が正常に作られなくなってしまうため受精卵が着床することができません。
卵管で炎症が起きれば卵子の通り道が狭くなってしまうため、卵子と精子が出会えずに受精が難しくなります。

このように生殖機能に様々な悪影響を及ぼしてしまうため、性病はできるだけ早期に発見して治療を行うことが必要不可欠になります。
いざ子供が欲しいと希望した時に不妊で悩まされないためにも、様々な性病に関する知識をつけておくことが大切です。

男性の性病による不妊症のメカニズム

不妊症というと女性側に原因があるというイメージがいまだに強いですが、実際には不妊原因の約半数が男性側にあるとされています。
女性と同じく、男性であっても性病によって不妊になってしまう可能性が高いので注意が必要です。

男性が性病による不妊症になってしまうメカニズムは、非常にシンプルです。
性病の原因菌は尿道口などを介して体内に侵入すると、どんどん遡上して膀胱や精巣にまで達してしまいます。
通常、体内に入った病原菌は抗生物質を使うことで退治できるのですが、抗生物質の効果は膀胱や精巣には届きません。
病原菌にとっては安全で栄養も豊富な素晴らしい住環境になっており、一度到達するとどんどん増殖してしまいます。

妊娠するためには男性の精子が大量に女性の体内に到達する必要があるのですが、膀胱や精巣で病原菌が増殖してしまえば、炎症によるダメージのせいで精子が作られなくなったりスムーズに移動できなくなってしまいます。
これが無精子症になったり女性の体内に到達できる絶対数が減少し、男性が不妊症になってしまう大きな原因です。

性病の病原菌によって生殖機能がダメージを受けて正常に機能できなくなるというメカニズムは、男性も女性も同じです。
これを防ぐためには、大切な生殖機能にまで炎症が及ぶ前に性病を治療することが欠かせません。
早期発見するためにも、違和感を感じたらできるだけ早く病院で性病の有無を診察してもらうようにしましょう。

中には全く症状が出なくても性病に感染しているケースもあるので、定期的に診察を受けることも大切です。
また、パートナーが性病にかかっている場合は自分も同じ種類に罹患している可能性が高いので、無症状でも治療を行った方が安心です。